「ほらほら、Ebonyな短剣ですよ! マントまで付いてますよ!」「わかったわかった」
「どうしたんだ、その鎧は」「それがですね」
「なんだって、Fire Saltsを手に入れたと?」「はい、どうぞ」
「これは確かに…大変だっただろう」「あはは、ちょっとMarcurioに手伝って貰う事になってしまいました」視線をそらして笑うと、何やら察したのか憐れみの視線を向けられます。
Marcurioときたら、あのあと何を言ってもびた一文まけてくれませんでした。
あのぼったくり魔術師、許しませんよ。
「とんだ手間をかけてしまったようだな」「こちらが勝手にやったことですし、助けて貰ったお礼もしたかったので」「だが…ふむ、少し時間を貰えるかな」
「と、いうわけでBalimundがお礼にって作ってくれたのです!」「そうやって女を甘やかすから、何時までたっても結婚できないんだな、あいつ」
「って、Marcurioが悪口言うですよ!」「分かったから武器を振り回さないでくれるかな」Balimundからの「依頼は数日中に完了する」という伝言をBriehlに伝えがてら愚痴っていたら、穏やかに窘められてしまいました。
「しかし、そのように誰かの助けとなるの良い事だ。それこそMaraの愛の連鎖を生むだろう」「愛ですか」「愛だね」誰かを助ける事で、その誰かもまた助けてくれる…なるほど。
「愛って素晴らしいですね!」「君にもMaraの教義が伝わったようで嬉しいよ」
「もし君にMaraの愛を広める手助けをするつもりがあるなら、Dinyaと話しをしてごらん」
「まぁ、素晴らしい…貴女が良き愛の伝道師となる事を祈りましょう」「あ、いえ。まだ入信を決めたわけではないのですけど」
「かまいませんよ、信仰とは強制するものではありません。その真の素晴らしさに気付いた時に、自然とこうべを垂れるものです…ですが、その素晴らしさに気付く機会すらなく、人生を終えてしまう哀れな人も大勢います。私達は、そういった方々を少しでも救う事を役割としているのです」Dinyaはそう言うと、笑顔を曇らせ俯きました。
「そして機会に恵まれつつも、ささやかなすれ違いでそれを手放してしまう人もいます…MaraはIvarsteadで気まぐれな愛に迷う子羊がいると信託を下しました。貴女に彼らの手助けとなるつもりがあれば、その地へと向かいなさい」
「Ivarstead?」「知っているのか、雷電!」「誰だよ」
「いえ何となく…どのあたりにある街です?」「街というより村だな、地図を見せてみろ…っと、この辺だ」「おお、これは遠い…あ!」「今度はなんだ」「あの鉱山の蜘蛛を思い出して…今なら武器もあるし、なんとかなるかなと」「…装備を手に入れただけで、強くなったつもりになってるんじゃないだろうな?」痛いです、その冷やかな視線が痛いです。
「まぁ腕試しにはちょうどいいか…何してる、行くんだろ」「…はい?」「500Gold分の価値がある働きくらいはしてやると言ってるんだ。明るいうちにでるぞ」
「あそこだな」
「一応衛兵の方はいるんですね…ついでに退治してくれればいいのに」「管轄外なんだろ、所詮はお役所仕事だ。ほらさっさと入る」
「おおお、いますね蜘蛛がうじゃうじゃ…では、早速武器を構えて…」*Bom*
え。

ちょ、ちょちょちょ…
*Bom Bomw*
「デカイのが居るかと思ったが、小物ばかりだったな」「あの…」「なんだ」
「何もしないまま終わってしまいました」「襲いかかってくる奴がいるのに悠長に構えてるのが悪い」いえそうなんですけど…確かにそうなんですけども…
私の腕試しに付きあってくれてるのではなかったのです?
「念のために残党が居ないか確認してから出るか」「はいはい、もういいですよ…あ!」
「つるはしです、つるはしが落ちてますよ、沢山!」「作業用に置いてあるんだろ…何してる」
「格好良くないです?」「おまえのテンションが上がるツボが分からん」
「鉱山の蜘蛛を退治してくれただって!?」
「はい、一応残りが居ないか確認はしましたけど、大丈夫だと思います」「素晴らしい! 君のおかげで鉱山を再開する事ができる」「ええと、それで…つい勢い余って、鉱脈をカンカン掘ってしまったのですが」「ああ、構わないさ。ここは良質なEbonyが取れるんだ、君の役に立ててくれ」
「お、おおお」「奇声を上げる癖でもあるのか」「お礼に貰った金貨を数えたら、500丁度です! Marcurioに丸ごと投げます!」「毎度あり…と、それとな」
「なんです?」「目の前に見える砦を、過去3回ほど素通りしたわけだが」「はい」「あそこにいるの、GuardじゃなくてBanditだからな」え。
「ええええ、マジだ!!」「背後から矢を撃たれまくってたのに、お前ときたら全く気づいてなくてだ」
「な?」「な…じゃないです。攻撃されてます、めっちゃ攻撃されてますよ!」
「たいして強い奴らじゃない。ほら、死体から矢を剥いで装備しとけ」なにこの魔術師怖いんですけど! 矢はありがたくいただきますけど!!
「…よし、あらかた片付いたか」「全員やっつけた…わけではないのです?」「砦の中にも居るだろうからな…っと、まだ外に一人居たか」「あ、矢が飛んできました!」「射手なら近距離で飛び込めばどうとでもなるだろ…行って来い」今度は邪魔しないから一人でやってこい…と無茶振りされまして。
半泣きで階段を駆け上ったその曲がり角で。
蟻さんと蟻さんがごっつんこ。

やだもう

怖いって

言ってるでしょうううう!
「いや、お前な」「なんです」
「…完膚なきまでに殺したな」「やだもう、怖いです、早く帰るです」「お前のが怖いわ」*正直、妙なのを助けてしまったと、後悔しているところだ*PR