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Skyrimねりあるき
20 . April
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27 . December
こぽこぽ こぽこぽ

籠った音が聞こえる

こぽこぽ こぽこぽ


「何だ、人が流れて…おい、しっかりしろ!」

「手を貸せMarcurio! お前と同じImperialだ」

ざぶざぶ ざぶざぶ

「これはまた…息はあるか、Balimund?」

「辛うじてな、とりあえず聖堂へ――」





ガンガンと鳴り響く頭痛に目を開けたら。

えーと…

そこは知らない場所でした。

いや、うん…ここ、どこです?

「まぁ、気がついたのですね」

背後から声をかけられて驚きつつ振り向くと、司祭姿の女性が一人。

「あ、はい…ええと、貴方は?」
「意識ははっきりなさっているようですね。私はMaraの司祭Dinyaと申します。お名前を伺っても?」
「これは失礼しました、私は…」

えっと、私は、えっーと…ええええっと?





「では、記憶が無い…と?」
「はぁ、どうも、そのようで」

「貴女はこのRiften郊外に流れ着いていたのですよ、覚えていらっしゃいますか?」
「いえその…りふ、てん? とやらにすら、聞き覚えがないのですけれども」
「名前も、何処から来たかも?」
「残念ながら…」

頭を抱えつつため息をつくと、Dinyaはにっこりと微笑みました。

「ご安心なさい、Maraは愛の神です。貴方の心に愛ある限り、Maraは祝福を授けるでしょう」





「そうか、困ったことになったね」
「とりあえず、しばらくはこちらのお手伝いをしつつお世話になろうかと」
「行くあてもないのだろう、そうするといい…だが、ふーむ」

こちらもMaraに仕える信徒であるBriehlは、私の言葉を聞くと眉をしかめます。

「身を守る術は持っているかい?」
「ええと…危険があるのです?」
「このRiftenは、シーフギルドの巣窟となっているんだよ…ギルドと言うかただのゴロツキ集団なんだけどね。おかげで治安がすこぶる悪い、我らがMaraの加護もこの地では蝋燭の灯火のようなものだ」

「そうだな…今の君ならば懐の中身を心配する必要もないだろう。少し街を見てくると良い」





「よう、見かけねぇ顔だな…お前か、聖堂に運び込まれたっていう小娘は」

Briehlの言葉に従い外に出ると、すっかり日が落ち辺りは静まり返っておりました。
道に沿い、足元に気をつけつつ進むと、突然といかつい男性に声を掛けられます。

「そうだと思うですけど、あの…?」
「ハッ、そう脅えんな。お前がここでトラブルを起こさない限り何もしねえよ」
「もし、起こした場合は」
「Black-Briarに目をつけられたらお前の人生が終わるだけだ。何せ莫大な賄賂を送って宮廷の内情すら掌握してる連中だからな。汚い仕事もお手の物だ、自分の手は汚さず、シーフギルドを雇って」

ニヤリ…と人の悪い笑みを浮かべて、いかつい男性はこちらを睨みつけてきました。

「精々関わらないように気を付けろ。お前みたいに裏の世界なぞ見えもしない小娘は尚更な」
「…さて、それはどうなのでしょう」
「お前みたいなのが、裏の世界を知ってるとでも?」
「私は、自分が何者か分かりませんから。一体誰が、私が善人であると証明してくれます?」

実際、私が犯罪者である可能性も無きにしもあらず。
外に出た途端にスタァァァップされないか不安だったりしたのですけど、ひとまずこの街では平気そうだと安心したところで。

「ふん、想像以上に馬鹿な小娘だ」
「なんですと」
「肝は据わってるようだがな。俺はMoulだ。同じ世界を見たいってんなら、また声をかけろや」





「いい加減にしなよ。返す時に倍の料金で返すと同意したのはアンタだろ」

よく分からない絡み方をしてきたMoulが立ち去る先を見ると、何やら言い争っている男女を発見しました。

「ああ、確かに同意したよ。でも出荷が奪われてしまった以上、返しようがないんだ!」
「そっちの事情なんざ知ったこっちゃないね。いいか、これが最後の警告だ。次に会う時にはキッチリ耳を揃えて返して貰うからね。もし払えなかったら…覚悟しておきな」

声を荒げていた女性は、言いたい事を言い終えたのか、Moulの後を追うように街の中へと消えていきます。

「…借金ですか」
「聞こえてたのかい、これは恥ずかしい所を…君は?」
「失礼、ただの通りすがりです。借りた分だけでも早めに返した方がいいと思うのですけど」
「それすら難しい状況でね…逃げればギルドを敵に回してしまいそうだし…」
「シーフギルド、ですか」
「そうさ…はぁ、どうしたらいいんだ」





「お嬢さん、こんな時間に外に出るのは危ないわ」

よろめきながら去る借金青年があまりに危なっかしかったので、大丈夫だろうかと見送っていると、門の近くで女性に声をかけられました。

「いえ、外に出るつもりは…彼は大丈夫なんです?」
「彼…ああ、Shadr? 門を出てすぐの厩舎に住んでるのよ、問題ないわ」

知り合いかと尋ねられたので、フラフラしているから気になっただけだと答えますと、納得したように女性は頷きます。

「貴女に会って、久々に人間らしい情を見た気がするわ…彼も問題を抱えているものね」
「彼も…といいますと」
「私もシーフギルドとはよく揉め事を起こしてしまうのよ。奴らはこの街の害虫だわ」
「頼むから気をつけてくれよ、Mjoll…ギルドの後ろにはMavenが居るんだ…」

「彼女が指を鳴らせばそれだけで君は刑務所で一生を終える事にだってなりうるんだよ」

暗がりのせいで全く気付いておりませんでしたが、視界の外に男性が一人いたようです。
驚く私に気付くと彼は苦笑しながらこちらに声をかけてきました。

「貴女も気をつけて…Maven Black-Briorは実質この街の支配者なんだ。誰も彼女には逆らえないし、彼女が後ろ盾にいる以上、シーフギルドにも関わるべきじゃない」
「でもAerin…奴らを放っておけば、もっとひどい事になる。あのならず者達は人目も憚らずに勧誘を繰り返し勢力を拡大しようとしているわ」
「この街のために懸命になってくれるのは嬉しく思うよ…だけど君が心配なんだ」

またも二人の世界で言い合いを始めてしまいましたので、そっとその場を離れる事にしました。
どうやら本格的にシーフギルドの存在は、この街で問題となっているようです。




「おかえり、街はどうだった?」
「不穏であることは、確かなようですね」

「でも、悪い人ばかりではないみたいですし、なんとかなるかと」
「そう言って貰えると嬉しいね。この街の人間にも愛は存在しているんだよ。ただ少しばかり、道がずれてしまっただけで」

私の回答がお気に召したのか、Briehlは穏やかに笑うと頷きました。

「とはいえ、そのままでは危険である事に変わりはない…昼になったらBalimundの元を尋ねなさい」
「かまいませんが…どなたでしょう」
「君を見つけてここに運び込んだうちの一人さ。もう一人はMarcurio、傭兵をしている」

つまり、命の恩人な方々ですね。それはお礼に行きませんと。

「Balimundは鍛冶屋だ、身を守る装備は整えておいて損は無いからね。話は私から通しておこう」

今日はもう休みなさいと、空いているベッドに案内されましたので、大人しく横になる事にします。

去り際にBriehlが何か口にしたような気がしたのですが、扉の閉まる音に交り聞こえませんでした。
とりあえず、夜が明けたら再びこの街を探索してみることにしましょう。
そのためにも体力の温存を…おやすみなさい。


*これもMaraのお導きかもしれないね…良い夢を*
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