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Skyrimねりあるき
25 . April
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28 . December
「すみません、Balimundというのは貴方でしょうか」

「ああ、武具が入用かいお嬢さん…っと、君は」


「はい。助けていただいたそうで、ありがとうございました」
「いや…Briehlから話しは聞いたよ、記憶を無くしているそうだな」
「日常生活に関する事は問題なさそうなので、さほど困ってもいないのですけど」
「はは、無理に強がらなくていい。自分の事が分からないというのは想像もつかないが、恐ろしい事だろう」

いえ、別に強がってるわけでも無いのですが。

「さてと、君の鎧を仕立てるように頼まれている。少々問題があってすぐには無理なんだが」
「問題、です?」
「ささやかな大問題でね…そうだな、とりあえずは寸法を測らせて貰おうか」





実は炉を動かすための燃料が尽きかけていて、その入荷を待っている所だったんだ。
予定より四日も遅れていてね。さすがに痺れを切らしてMarcurioを護衛に雇い、様子を見に行こうとして…君を見つけたってわけだ。
いや、謝る必要はない。
なにせ、君を聖堂に預けて工房に戻ったら、積荷が盗賊に襲われて根こそぎ奪われてしまったと、連絡が届いていたんでね。
無駄足を踏まずに済んだだけマシだったさ。

「では、その燃料が無いと炉が動かせないと」
「鉄程度なら今のままでも何とでもなる…だが、頼まれた仕立ては少しばかり特殊でな。火力が必要なんだ」
「燃料が再び入荷されないとだめなんですね」
「そういう事だ。その燃料がなかなか手に入りづらくてな、時間がかかる」
「薪を使っているのではないんです?」
「それでは満足いく火力が出ない。必要としているのはFire Salts…Flame Atronachの欠片さ」





Fire Saltsならば、錬金術の店にもあるかとは思いましたが、最低でも10の数が必要なのだそうです。
その量を集めるのは確かに手間がかかるでしょう。

「浮かない顔だな」

「あ、ごめんなさいMarcurio…お礼もそこそこだったのに、つい考え事を」
「気にしなくていい、俺は運ぶのを手伝っただけで、あんたが助かったのはBalimundのお手柄だからな」
「そのBalimundが困ってるそうで…力になれればと思ったのですけど」
「炉の燃料の事か? 職人気質なんだろうなあれは…薪の火力で充分だろうに」
「こだわりは大事だと思います」
「それには同意する」

からかうかと思いきや、あっさり同意され拍子抜けしていると、Marcurioは笑いながら続けます。

「その様子なら、次は錬金術の店で在庫確認…って所か。あそこは位置が分かりづらいぞ」





「Fire Saltsを10個? それはまた難しい注文だこと…」
「何とかならないでしょうか」
「そうだねぇ…ならない事もないんだけど」

Marcurioに教えてもらったお店で在庫を尋ねますと、難しい顔をされてしまいました。

「主人が自分が研究に使うための材料を店売りとは別に持ってるのさ」
「それを分けていただければ、揃いそうです?」
「ただ、売り物ではないからね、説得しなきゃいけなくて…ああ、そうだ」

夫人はメモを取り出すと何事かを書き連ねて私に渡してきます。

「主人が研究以外に興味が無いおかげで、店の用事が滞っててね。Filnjarから鉱石のサンプルを預からなければならないのだけど」
「鉱石…ええと、つまり」
「お前さんが代わりに取りに行ってくれるなら、それを理由に主人を説得してみましょう」





Filnjarという方がいる村までは少し距離があるようです。
本来ならば彼女が取りに行く予定だったそうなので、道中そこまで危険は無いとはおもうのですが。

街を出て砦を越え、教えられた道を辿っていきますと。

*Grrrrr…*

?!

ちょ、ちょちょちょ、待ってください襲ってくるなんて聞いてません!
こっちは丸腰なんですやめてくださいああそうかそちらも動物ですから丸腰でしたね失礼しました!!

*Gyaun!*

!??

え…えっえ、なにごとです…?

「まったく、手間のかかるお嬢さんだな」

聞き覚えのある声に来た道を振り返れば…

「Marcurio?」
「ふらっと門を潜って何処へ行くのかと思えば…街道ならば丸腰でも安全だとでも考えたのか?」
「いえ、その…」
「だとしたらBalimundの荷は街道をそれて運ばれた事になるな、そりゃまたおかしな話しだ」
「ええと」
「荷の確認に行く為に、アイツが俺を護衛として雇った意味に思い当らなかったか? 鍛冶仕事で鍛えられたあの腕が、そのなまっちょろい二本のソレよりも弱々しいと? そう考えていたのなら…考えていなくとも、予想以上の馬鹿だな」
「…それ、昨日も言われました」
「なるほど、やっぱり馬鹿か」
「そ、そういうMarcurioこそ、なんでこんな所にいるです?」
「昨日の今日で死なれちゃ、目覚めが悪いって事だ…で、何処へ行くつもりだったんだ」

これ以上の反論を重ねるのも不毛なわけでして、大人しく目的地を告げるとMarcurioは軽く頷き指差しました。

「それなら、そこだ」
「目と鼻の先だった…だと…」





「あの、Filnjarというのは、貴方です?」
「そうだが、お嬢さんは?」

夫人から渡されていたメモと、鉱石サンプルを受け取りに来た事を伝えると、Filnjarはため息を付きます。

「あそこのダンナは奥さんが手を焼かなけりゃ、パンツを穿く事すら忘れかねないからな…全く、どれほど前に取りに来るように手紙を出したと思ってるんだ。こっちは鉱山の問題で手いっぱいだというのに」
「鉱山に何か問題が?」
「ここには、赤い霧が漂う事からRedbelly Mineと名付いた鉱山がある。我々の生活源なんだが困った事になってな」

ほうほう、赤い実はじけましたか。

「そこに蜘蛛が住み着いちまって難儀をしているんだよ。鉱夫に戦える者は少ないからな」
「…蜘蛛くらいなら」
「スタアァァァップ!」

突然話を遮ってきたMarcurioに腕を引かれ、隅へ連行されました。

「鉱山で働いてる人間は体力も腕力もある、分かるな?」
「あ…っと、はい」
「なのに難儀している…つまり、普通の、虫を捕まえる程度の、可愛らしい蜘蛛ではない、分かるか?」

…えーと。

「すみません、お力になれそうになくて…」
「いやいや、アンタに死なれても心苦しいからな…さて、これがサンプルだ、ちゃんと届けてくれよ」





「よくやってくれたね、本当に感謝するよ」

「さて、これから主人にはこの鉱石を調べる事に集中してもらわないとね。その間、錬金術の研究は停止せざるを得ないだろうから、材料の消費も止まるって事さ…明日あたりにまた顔を出しにおいで。うまくいけばFire Saltsを10個、確保しておくよ」

Fire Saltsの件とは別に、お礼として旅に役立つお薬セットを貰いました。

「あの、Marcurio」
「ん、なんだ?」

「ありがとうございました…その、助けてくれて」
「ああ」

Marcurioは私に向き直ると、真顔で言い放ちます。

「護衛代、500Goldな」

「なん…だと…」
「これも何かの縁だ、特別に後払いでいいぞ? 手持ちも無いだろうし」


*ああMaraよ…この街の愛は、確かに歪で在るようです*

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